こんにちは! まひろでーす!
2022年1月2日から、フルハーネスの着用義務化がスタートしましたね。
それに伴って……
「安全帯の“新規格”と“旧規格”、どう違うの?」
「見分け方がわからない!」
といったお問い合わせをよくいただきます。そんなお悩みをお持ちの方、必見!
この記事では「新規格」と「旧規格」の違いや、カンタンな見分け方をわかりやく解説します!
「安全帯」から「墜落制止用器具」へ名称変更。
法改正に伴い、「安全帯」は「墜落制止用器具」という名称に変更されました。
- 墜落制止用器具 → 新規格
- 安全帯 → 旧規格
法令上の正式名称は「墜落制止用器具」ですが、従来から使われている「安全帯」という呼び方を使用しても差し支えありません。
ややこしいのですが――
「墜落制止用器具」のことを「安全帯」と呼んでも大丈夫、ということですね!
※なお、この記事内では、柱上安全帯を指す場合などには、従来通り「安全帯」という表現を使用しています。
墜落制止用器具として認められるもの“2種類”あります
墜落制止用器具として認められるものは、以下の2つです!
- フルハーネス型(一本つり)
- 胴ベルト型(一本つり)
※ 従来の安全帯に含まれていた「柱上安全帯(U字吊り胴ベルト)」は、現在では「ワークポジショニング用器具」と分類されるため、墜落制止用器具としては認められません。
【解説】安全帯の構成部品について
続いて、安全帯の構成部品について説明します。
安全帯と聞くと、次のようなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか !?

構成部品は、以下の3つに分かれます。
- 胴ベルト
- 補助ベルト
- 胴綱
部品ごとに説明します。
胴ベルト

身体に着用する帯状のベルトで、バックルが付いています。
昔の呼び方で、「外締めベルト」または「外締め」と省略する方もいらっしゃいますね。
補助ベルト

胴ベルトに取り付ける補助的な帯状の部品。
写真はD環が2個(左側)、メガネ環付き角環(右手前)が付いています。
D環の数や角環はの形状は、仕様によって異なります。
昔の呼び方で、「腰当ベルト」や「腰当」と呼ぶれることもあります。
胴綱

ロープの長さを調節する伸縮調節器、先端にはフックが付いています。
「新規格」では、これをワークポジショニング用ロープと呼びます。
※ランヤードとは呼びません。
【構成部品別】「新規格」と「旧規格」見分け方ポイント
胴ベルト:ネームタグを確認
胴ベルトは、“ネームタグ”で確認しましょう。
「新規格」には、「墜落制止用器具」と記載されています。

一方「旧規格」には、「安全帯の規格」と記載されています。

- 墜落制止用器具 → 新規格
- 安全帯の規格 → 旧規格
この部分の見分け方が一番わかりやすいですね!
補助ベルト:確認ポイント無し
補助ベルトは、新旧の規格による違いはありません。
ただし、基本的には胴ベルトとセットで使用するもの(単体では使えない)ので、胴ベルトが新規格であれば、あわせて補助ベルトも新規格のはずです。
胴綱:伸縮調節器を確認
胴綱については、“伸縮調節器”の表示を確認しましょう。
「新規格」には、「ワークポジショニング用」と記載されています。

「旧規格」には、「1本つり・U字つり兼用」などと記載されています。
(※「U字つり専用」という場合もあります)

- ワークポジショニング用 → 新規格
- 1本つり・U字つり兼用 → 旧規格
新規格 柱上安全帯(ワークポジショニング用器具)のオススメ!
新・旧の見分け方がわかったところで、新規格の柱上安全帯(ワークポジショニング用器具)のオススメ製品を、以下の順でご紹介します。
今回紹介する製品は、国内シェアトップの藤井電工製です!
- 柱上安全帯用ベルト
- ワークポジショニング用ロープ
- 胴ベルト型ランヤード(小型フック)
- 胴ベルト型ランヤード(大径フック)
柱上安全帯用ベルト
オススメ理由は、こちらの記事をどうぞ!
ワークポジショニング用ロープ (胴綱)
ワークポジショニング用ロープはこちらがオススメです。(そもそも種類はそれはど多くはありません)
通常、伸縮調節器はロープを下側から通す仕様が標準仕様ですが、上側通過仕様もあります。
特にこだわりが無ければ、個人的にはロープを下側から通すタイプの方が使いやすいのでオススメです。
詳しくは、こちらの記事をどうぞ!
胴ベルト型ランヤード(小型フック)
「新規格」の柱上安全帯用ベルトに、これからご紹介する胴ベルト型ランヤードを取り付ける事で、6.75m以下の高所作業でおいて、墜落制止用器具として使用することができます。
- TBL-11
- TBL-31
2つの違いは、人体側に取り付けるフックの仕様です。
TBL-11は人体側にもフックが付いているため、着脱がしやすいのが特徴です。
※ ただし、両端がフックになっているため、誤って反対に取り付けないよう注意が必要です。ショックアブソーバ側のフックを、必ず人体側に接続してください。
TBL-11
TBL-31
胴ベルト型ランヤード(大口径フック)
これらの胴ベルト型ランヤードも、6.75m以下の高所作業で、墜落制止用器具として使用することができます。先端には大口径フックが採用されているため、単管パイプなどの太い構造物にも確実に掛けることができます。
- ロープタイプ
- ノビロンタイプ
- Gブレードタイプ
- 巻取タイプ(NEW)
ロープタイプ
ロープタイプの特徴は「ノビロン」や「Gブレード」に比べて約15~20%軽量であることです。(およそ120~200gの差)
ノビロンタイプ
ノビロンタイプの特徴は、普段は収縮しているため、作業中の邪魔になりにくい点です。
Gブレードタイプ
Gブレードタイプの特徴は、キンク(ねじれ・絡まり)が起きにくいことと、先端のフックにスイベル機構が搭載されている点です。スイベル機構により、ロープ部とフック部が互いにねじれるのを防ぐことができます。
巻取タイプ
こちらは、藤井電工の新製品「イージーリトラ(EZ RITRA)」です。(2023年7月発売)
- フルハーネス型・胴ベルト型兼用タイプ
- 使用可能質量 130kg
- 常時巻取型
という、最強スペックの製品が登場!
【禁止】旧規格と新規格の混在使用
「新規格」と「旧規格」の見分け方、参考になりましたでしょうか。今回掲載しているサンプル写真はすべて藤井電工製の製品です。
他メーカーでも確認方法は同じで、まずは胴ベルトのネームラベルをチェックすればわかります。
最後に禁止事項を載せておきます。
禁止事項
旧規格の安全帯をお持ちで、新規格の「胴ベルト」や「胴綱」だけを購入し、旧規格の「補助ベルト」はそのまま併用するなど、新旧規格を混在させた使用は禁止されています!
(金額が安く済むからと言って、決して行わないでください。)
ご不明な点がありましたら、お問い合せよりお気軽にご連絡ください。
墜落制止用器具についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひ下記の記事もチェックしてください!
最後までご覧いただき、ありがとうございました!